猫砂は猫のトイレに欠かせないものですが、時にはトラブルが起こることもあります。中には、猫砂を食べてしまうケースもあるので、どうしたら良いのか悩んでいる飼い主さんも少なくありません。
そこで今回は、猫が猫砂を食べる理由5つと改善策、食べてしまった時の対処法について解説します。
猫砂を食べてしまう=適切な対処をしよう
猫砂は「砂の上で排泄したい」という猫の本能にもとづいて作られたものです。消臭機能がついているものも多く、排泄物の臭いを抑えるのにも役立つので、猫と暮らしている人には必須といえるアイテムでしょう。
通常、猫砂はトイレ用として作られているので、それ以外の用途で使われることはほとんどありません。そのため、愛猫がトイレの砂を食べてしまうと心配になりますし、健康面で問題はないのか不安ですよね。
そもそも、排泄場所にあるものを食べてしまうというのは衛生面にも問題があります。特に2匹以上の猫と暮らしている人は、猫間の病気蔓延を防ぐためにも、猫砂を食べないように適切な対処をするべきといえます。
猫が猫砂を食べる理由5つ
とはいえ、猫は人間の言葉を理解できないので、「食べちゃダメ」と声をかけても聞いてくれるわけではありません。猫砂を食べないようにするためには、まず猫砂を食べる理由を知ることが大事です。
猫が猫砂を食べてしまう理由①:遊んでいる
砂かきやサッカー遊びの延長で、本能的に猫砂を食べてしまうことがあります。
猫は狩猟本能を持った動物なので、家の中にあるものを「狩り遊び」の対象にすることはよくあります。猫砂も例外ではなく、狩り遊びをして「仕留めた!」と思ったため、本能的に猫砂を口にしてしまうケースは意外と多いのですね。
仕留めたついでに食べてみるといった考えは、野生で生きてきた猫の本質ともいえるので、食べるものではないと思っていても、つい口に入れてしまうのかもしれません。
猫が猫砂を食べてしまう理由②:病気や寄生虫によるもの
病気や寄生虫が原因でお腹に不快感があり、あえて異物を口にしているのかもしれません。これは、猫砂を食べて吐気を促すことで、体の中の悪いものを排出しようとする猫の防衛本能です。
特に、お腹に寄生虫が居る場合は、体中の栄養を寄生虫に取られるため、不足する栄養素を補うために食欲が増え、普段食べないものも食べるようになります。他の原因に全く心当たりがない時は、動物病院で糞便検査を受けましょう。
猫が猫砂を食べてしまう理由③:ストレス
愛猫が猫砂を食べてしまうのは、ストレスが原因かもしれません。
今は完全室内飼いの猫が多くなっており、飼育の環境は良くなっています。ただ、飼い主さんが留守がちで寂しさを感じていたり、同居猫との関係が良くなかったりすると、猫は大きなストレスを感じ、異食に走ることがあります。
異食行動はストレスを感じている猫にみられやすく、猫にとって身近な猫砂を食べるという行動につながるケースは意外と多くあります。飼育環境の改善やスキンシップ、遊びなどを通して、愛猫のストレスを発散させてあげましょう。
猫が猫砂を食べてしまう理由④:栄養バランスが悪い
栄養のバランスが良くない、必要な栄養素が十分に取れていない場合、猫は猫砂を食べることがあります。また、食事の量自体が少なく、お腹が空いているため猫砂を食べてしまっている可能性もあるでしょう。
キャットフードにはいろいろな種類があるので、購入する前は成分や栄養バランスをよくチェックすることが大切です。
子猫用・成猫用・老猫用など、ライフステージが分かれているフードは、必ず愛猫に適したタイプのものを与えること。量はパッケージに書かれている給与量を参考に、愛猫の様子や体重をみながら調整しましょう。
猫が猫砂を食べてしまう理由⑤味や食感が好き
猫砂の味や食感が気に入っており、意識的に食べている可能性もあります。
小さな粒の場合は味がわかりにくいこともあり、食べ物と認識してしまっているのかもしれません。大きな粒であれば、味や食感がわかりやすいため、食べてしまう猫は少ないといわれています。香料入りの猫砂に変えるのも効果的ですよ。
ちなみに、おからタイプの猫砂は香りがよく、食べ物と勘違いして口にしてしまう猫も多いようです。
おからはもともと食品なので、食べてしまっても特に問題はありませんが、あまりにひどい場合は、別タイプの猫砂に変更しましょう。
食べた後も元気なら心配はいらない
猫が猫砂を食べても、少量であればそのまま便と一緒に排泄されます。食べる量が少ない、食べた後も元気で過ごしているなら、大きな心配はありません。
猫砂の素材を変えたり、キャットフードを見直したりして、愛猫が猫砂を食べなくなるようにいろいろと工夫しましょう。
なお、固まるタイプの砂の場合、大量に食べると砂がお腹の中で固まってしまい、腸が詰まってしまう可能性も0ではありません。もし愛猫に食欲不振や吐き気などの様子がみられたら、かかりつけの動物病院で検査を受けてくださいね。
猫砂を食べるという行動は、子猫時代にみられることが多く、成長にともなって改善することも多いです。成長しても食べ続ける場合は、上記で紹介した対処法をひとつずつ実践し、改善を目指しましょう。
まとめ
猫が猫砂を食べてしまう理由はひとつではなく、様々な理由が絡み合っている場合もあります。ですが、愛猫の様子をよく観察し、適切な対処を行うことで、猫砂を食べる行動を止めさせることはできます。
まずは手始めに猫砂を別のタイプに変え、猫がどんな反応をするかチェックしてみましょう。
もし改善がみられない場合は、キャットフードや飼育環境などを見直し、原因がどこにあるのか確認してみてくださいね。