【動物看護師が解説】尿路結石症の原因・症状・治療・予防法

  • 2021年6月28日
  • 2021年11月15日
  • その他
 
猫は尿路結石症になりやすいっていうけど、イマイチどんな病気か知らないなぁ。

そんなふうに思っている方も多いのではないでしょうか?

ここでは、尿路結石症の概要と原因、症状や治療法・予防について解説します。

 

尿石症は、下部尿路に結晶や結石ができる病気

尿石症とは、腎臓・尿管・膀胱・尿道のいずれかに、結晶や結石ができる病気です。

結石は砂粒くらいに小さなものもありますが、なかには数センチほどの大きな固まりになることもあります。

結石には「ストルバイト結石」「シュウ酸カルシウム結石」という種類があります。

ストルバイト結石

尿のPH(ペーハー)が、アルカリ性に傾くことで発生する結石です。

マグネシウムやアンモニア、リン酸から構成されており、どちらかというと若い猫に多くみられます。

シュウ酸カルシウム結石

尿のPH(ペーハー)が、酸性に傾くことで発生する結石です。

中~高齢期の猫に多くみられ、ストルバイトにくらべて表面がギザギザしているのが特徴です。

 

年齢ごとに異なる2種類の尿石

参照:ペットライン|猫ちゃんの”尿石”は主に2種類ある!

 

結晶や結石ができる原因は、遺伝・体質・食事・飲水量・運動量など様々なものがあります。

特に食事中のミネラル成分や飲水量の不足は尿路結石症の要因になりやすいので、日頃から注意しておきましょう。

 

オス・肥満の猫は尿路結石症が重症化しやすい

尿路結石症は性別に関係なく発症しますが、メスよりもオスのほうが重症化しやすいです。

というのも、オス猫の尿道・先端は細くてカーブしているので結石が尿道に詰まりやすく、排尿が困難になるケースが多いため。

肥満の猫も同様に、尿道が脂肪で圧迫されているために、結石が外に排出されにくい傾向があります。

 

 
いたた…。なんだか想像しただけで怖くなるにゃ…。

トイレの回数が増えた・尿の色がおかしい時は猫下部尿路疾患(FLUTD)に注意

猫の排泄習慣は、大切な健康のバロメーター。

猫トイレを掃除する時は、特におしっこの回数・色・形状や愛猫の様子を重点的にチェックしましょう。

頻繁にトイレに行くのにおしっこがほとんど出ない場合は、尿路結石症の可能性が高いです。

 

主な症状

  • 強い尿意・血尿・頻尿
  • 尿が出ない・尿がぽたぽたと滴る
  • トイレ以外での排泄が増える

この他、うろうろ落ち着かずに歩き回ったり、元気や食欲がガクッと下がることも。

 
症状が進行すると、嘔吐や下痢、腎機能の障害などが起こるので、初期の段階で発見することが大切にゃ。

 

量・におい・色に変化があったら尿検査を

おしっこをチェックするベストなタイミングは、朝一番のもの!

個体差や年齢差はありますが、健康な猫のおしっこはレモンイエローです。(下部参照)

量やニオイをはじめ、濁っていたり、キラキラ光っていないかチェックしましょう。

 

参照:sippo|愛猫の健康のために、自宅でもオシッコの確認を習慣化しよう

 

尿路結石症の場合、おしっこがキラキラ光って見えることがあります。

これは、おしっこと一緒に結晶や結石が排出されたことで起こる現象で、尿路結石症特有のもの。

排出する時は痛みを伴うので、見つけたらすぐに動物病院へ連れていってあげましょう。

 

重症度によって最適な治療法は変わってくる

尿路結石症の治療法は、症状の重さや再発の頻度によって変わります。

軽度であれば、下記の処置を行った後は尿路結石症の改善や予防のために作られた療法食を与え、しばらく様子を見ることがほとんどでしょう。

※多くはありませんが、重度(膀胱や腎臓に大きな石がある)の場合は、外科的手術で結石を取り除くこともあります。

 

おしっこが出にくい場合

  1. 尿道口からカテーテルを入れる(導尿)
  2. カテーテルを通して生理食塩水を送り込み、結石を膀胱に戻す
    ※腎機能が低下している場合はこのまま点滴治療を行う

 

動物病院によっては、超音波を使って結石を粉砕してからカテーテルを挿入することもあります。

 

 
ちなみに、細菌感染を起こしていると抗生剤が処方されるにゃ。

 

猫下部尿路疾患(FLUTD)にならないためには日々のケアが大切

尿路結石症を予防するには、日々の健康管理が大切です。

まずは十分に水を飲ませて、尿のPHを極端に偏らせない工夫をすること

日頃から猫がストレスなく排泄できるように、トイレ内は常にキレイを保っておきましょう。

 

猫に水をたくさん飲ませる工夫

猫はもともと飲水量が少ない動物なので、飼い主さんの工夫が大切です。

体の水分量が減ると尿が凝縮され、腎臓に負担がかかったり結石ができやすくなるので、元気なうちから対策をしておきましょう。

気温が下がる冬場は特に飲水量が減ってしまうので、普段より気にかけてあげてくださいね。

 

猫に水を飲ませる工夫
  • 冷水ではなく常温の水を用意する
  • 水を循環するタイプの給水器を導入する
  • 家の複数個所に水飲みボウルを置き、飲む機会を増やす
  • 適度に水分量が多いウェットフードを与える
  • 肉のゆで汁やチュールを溶いて与える

ミネラル分の多い湧き水やミネラルウォーターは、猫に与える水として不向きです。

特にオス猫はミネラルが原因で結石症を起こしやすいので、普通の水道水やペット用の水を与えてくださいね。

 

食事は1日2回以上に分けてあげて

ドライとウェットの長所を生かして!

参照:ペットライン|F.L.U.T.D.にならないための食習慣!

 

猫が食事をすると、尿のPH(ペーハー)はアルカリ性に傾きます。

食後は食べたものを消化するために胃酸がたくさん分泌され、体内の酸は胃に集中します。

そのぶん尿中に排出される酸も少なくなるので、尿PHはアルカリ性に傾くのです。

 
つまり、少しずつ分けてご飯を食べると、おしっこのPHが急激に変わらなくて済むということにゃよ。
あまりこまめに与えるのは難しいかもしれませんが、愛猫の健康を守るためにも、1日2回以上は分けて与えるようにしてくださいね。
 
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