猫の呼吸から分かる!見逃しがちな病気のサインと呼吸数の測り方

(景品表示表に基づく表記)当サイトのコンテンツには、広告を掲載している場合があります。

愛猫の呼吸について、普段からかなり注意しているという人は少ないもの。

ですが、猫の呼吸には様々なサインが隠されているので、普段から健康なときの状態を覚えておくことが大切です。

今回は、正常な猫の呼吸数や呼吸数の測り方、異常な呼吸法と考えられる原因・病気について解説します。

 

ねこやま
ちょっと長いけど最後まで見てくれると嬉しいニャ。
目次

猫の呼吸器のしくみ

猫の内臓

私たち人間と同じく、猫の呼吸器は「鼻・口・咽頭・気管・気管支・肺・肺胞」で構成されています。

呼吸器の主な働きは「呼吸機能」「防御作用」「代謝作用」の3つ。

呼吸器の大部分はろっ骨や脊椎などに囲まれてできた胸郭というカゴの中に納まっています。

ねこやま
呼吸は猫の生命活動に欠かせない器官なのニャ。

猫の正常な呼吸回数は「1分間で30回以内」

まず知っておきたいのは、猫の正常時の呼吸回数についてです。

個体差はあるものの、猫の場合、1分間で30回以内の呼吸数であれば正常の範囲内といわれています。

起きている時より寝ている時のほうが呼吸数は少なくなりますが、レム睡眠(浅い眠り)の時はやや呼吸が乱れる傾向があります。

ねこやま
興奮した時は一時的に呼吸数が増えるんニャよ。

猫の呼吸数は胸の上下運動を見て測ろう

正常な時の呼吸数を覚えておくと、ちょっとした異変にも気付きやすくなります。

まずは猫が落ち着いている時に1分間、目視で胸を観察して上下運動の回数をチェックしてみましょう。

「短い時間×○倍」というやり方は結果が正確にでない可能性があるので、最低でも30秒間はカウントしてくださいね。

ねこやま
寝てる猫の鼻先にティッシュをたらして揺れた数をカウントしても良いニャ。

 

猫の異常呼吸4つの種類

安静時の呼吸数が多かったり、呼吸が速い場合は必ず何かしらの原因があります。

猫は鼻呼吸をする動物なので、通常であれば口を開けて呼吸をする(開口呼吸)ことはありません。

では、猫の異常呼吸にはどんな種類があるのでしょうか?分かりやすくまとめてみました!

  • 多呼吸:呼吸回数が多い
  • 肩呼吸:肩を上下させている 
  • 開口呼吸:口を開けて呼吸する 
  • 鼻翼呼吸:息を吸うたびに鼻の穴が広がる・ピクピクする

これらはすべて「異常呼吸」と呼ばれる呼吸法で、猫にとって非常に苦しい状態です。

原因によっては一刻を争うこともあり、すぐに治療を受けなければ命を落としてしまうことも多々あります…。

開口呼吸以外はパッと見ても分かりづらいので、特徴をよくつかんでおいてくださいね。

 

ねこやま
猫の呼吸について、ものすごく分かりやすい動画があったので載せておくニャ。

 

 

猫の呼吸がおかしい時に考えられる原因3つ

では、猫の呼吸が速い時に考えられる原因とはなんでしょうか?

ここでは、病気以外の原因で猫の呼吸が速くなる原因を3つに分けて解説していきます。

①怪我をしている

外に出る猫に多いのが、外傷による痛みで呼吸が速くなるケースです。

高いところから落ちてしまったり、自転車との接触や他の猫との喧嘩で傷を負うパターンが多いでしょう。

見た目では軽い怪我のように見えても、実は内臓や骨にダメージが出ている可能性もあるので、注意してくださいね。

 

ねこやま
肺挫傷を起こしていると命に関わるから、なるべく早く動物病院を受診してニャ。

 

②興奮している

遊びや喧嘩の直後など、興奮している時は一時的に呼吸が速くなります。

数分も立てば落ち着いてくるはずですが、慣れない場所ではなかなか呼吸数が減らないことも。

お迎えして間もない場合や引っ越し直後で猫が警戒しているときには、あまり構わないようにしてあげましょう。

③生まれつき鼻の穴が狭い

生まれつき鼻の穴が狭い場合、呼吸数を増やして十分な酸素を取り込もうとします。

鼻の穴が狭いのは、エキゾチックショートヘアやペルシャ、ヒマラヤンなど、いわゆる「鼻ぺちゃ」な猫種です。

なお、鼻ぺちゃの度合いが強いほど呼吸がしづらく、活発に動きたがらない傾向があります。

 

症状が重い場合はメスや炭酸ガスレーザーを使って周辺皮膚を切除し、人工的に鼻の穴を広げる手術を行うこともあります。

鼻翼切除

参照:子猫のへや|猫の鼻腔狭窄~症状・原因から予防・治療法まで

 

 

猫の呼吸がおかしい時に考えられる病気6つ

上記3つの理由が当てはまらない場合、病気が原因で呼吸が速まっているのかもしれません。

猫の呼吸がおかしいときに考えられる病気としては、主に以下の6つが挙げられます。

①猫風邪

猫風邪は呼吸器疾患のうち1番多い原因で、正式名称は「猫ウイルス性鼻気管炎」といいます。

ヘルペスウイルスやカリシウイルスに感染することで発症し、目ヤニや鼻水、発熱や元気・食欲低下などがみられるのが猫風邪という病気。

悪化すると肺炎や重い結膜炎を起こしたり、子猫の場合は鼻水で窒息してしまう可能性もあるので注意しましょう。

治療:消炎剤・抗生剤・インターフェロンの投与

 

ねこやま
猫風邪は一度かかると再発する可能性があるニャ。過度なストレスや免疫力が下がっている時は要注意。

②猫喘息

あまり知られていませんが、猫も人間のように喘息を起こすことがあります。

明確な原因はまだ分かっていないものの、多くはダニ・タバコ・花粉などによって起こるといわれています。

猫が突然コフコフと咳をしたり、呼吸をするたびにヒューヒューと音がなっている場合は猫喘息が疑われるのが一般的です。

治療:ステロイド・鎮咳薬の投与

③心筋症

心筋の働きが弱くなると血液の循環が滞り、肺水腫や胸水の貯留が起こります。

胸に水がたまると肺が十分に広がらないので、どんなに呼吸をしてもおぼれているような状態で非常に苦しい…。

緊急性がかなり高いので、一刻も早く動物病院で適切な処置を受けないと命に関わります。

治療:酸素吸入・胸水を抜く・利尿剤の投与

 

ねこやま
犬に比べて猫は低酸素血症に耐性があるので、診断が遅れてしまうケースもあるニャ。

④血栓塞栓症

血栓塞栓症は、血管内にできた血栓が動脈に詰まると発症する病気です。

発症した直後に激痛が走るのが特徴で、後ろ足に力が入らなくなり、痛みで呼吸が荒くなります。

血栓塞栓症は発症後、いかに早く治療を行えるかが勝負のカギになるので、怪しいと思った場合は一刻も早く動物病院へ連れていきましょう。

治療:血栓を溶かす薬を投与・外科手術・バルーンカテーテルによる血栓摘出

⑤慢性気管支炎

慢性的に気管支が炎症を起こしていると、猫の呼吸が速くなります。

慢性気管支炎の原因は、ウイルスや細菌、真菌、歯周病や異物誤飲、寄生虫など様々なものがあります。

猫喘息や猫風邪によく似た症状がみられますが、しばらく経っても落ち着かなければ慢性気管支炎の可能性が高いといえるでしょう。

治療:抗生剤・抗ウイルス薬・駆虫薬・インターフェロンの投与、異物除去

⑥熱中症

苦しそうに息をしてぐったりしていたり、耳や体が普段より熱い場合は熱中症の可能性があります。

夏場の暑い時期はもちろん、冬場に過度な暖房を入れたりすると熱中症を起こす可能性が高まるので要注意。

興奮しやすい猫、長毛種や鼻ぺちゃ猫、黒猫は身体に熱がこもりやすいので、温度・湿度の管理は特に念入りに行いましょう。

治療法:脱水改善のための点滴・投薬
ねこやま
特に7~8月は注意ニャ!

猫の呼吸がおかしい時にチェックするポイント

猫の呼吸がおかしいと感じたら、まずは動物病院に連れていく準備をしましょう。

呼吸がおかしい原因は様々ですが、場合によっては一刻を争うものもあるので様子をみてはいけません。

猫を移動させるときはできるだけ苦しくならないよう、横向きの姿勢は避けるのがベストです。

愛猫の呼吸方法をよく観察しよう

呼吸器のどこに異常が起きているかは、呼吸状態をみれば推測することができます。

具体的には、呼吸が浅いか深いか、息を吸うときと吐くとき、どちらが苦しそうか、呼吸音はするか?など。

咳やくしゃみなど、他の症状があるかどうかも診断のときに重要なポイントなので把握しておきましょう。

 

  • 息を吐くときに苦しそう⇒猫喘息、慢性気管支炎 など
  • 吸うときも吐くときも苦しそう⇒心筋症による肺水腫、胸水貯留 など

 

迅速な行動が愛猫の命を救うカギになる

ひとくちに猫の呼吸がおかしいといっても、その原因は様々です。

じっくり治療が必要なものもあれば、早急な処置が必須のものもあるので「うちのこに限って大丈夫だろう」と自己判断してしまうのは非常に危険です。

愛猫の命を守るには、飼い主さんの些細な気付きと迅速な行動が何よりも大切!

普段から「正常なときの呼吸」を把握しておき、少しでも気になることがあればすぐに動物病院を受診しましょうね。

ねこやま
この記事がみにゃさんのお役に立ったら嬉しいニャ。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

動物ケアスタッフ・トリマー ▶ 動物専門ライター|愛猫との暮らしで学んだ知識・経験を発信中|すべての愛猫家と猫たちが幸せになれますように

目次